重度の歯周病と診断された方へ ~抜歯せず、歯を守る選択肢~
歯周病治療2025.05.15
(40代・女性)
「歯ぐきから血が出る」
「歯がグラグラして食事が不安」
他院では「ほとんどの歯を抜く必要がある」と言われ、
当院にセカンドオピニオンとしてご相談に来られた40代女性の患者さま。
初診時の口腔内写真
歯ぐきの腫れ・出血が強く、歯の動揺(グラつき)も顕著な状態でした。
デンタルX線(10枚法)
広範囲にわたる歯槽骨の吸収が確認され、
一般的には抜歯が検討される状態でした。
当院ではまず、**歯周基本治療(スケーリング・SRP・ブラッシング指導)**を丁寧に行い、
お口全体の炎症をしっかりとコントロールしました。
その後、歯周組織再生療法(Regroth®使用)を全顎的に実施し、
できる限り歯の保存を目指した治療を行いました。
歯周外科処置中の写真とX線比較
→ Regroth®を用いた再生療法により、失われた組織の回復を図りました。
治療から1年4か月後(SPT)
炎症はおさまり、グラグラしていた歯も安定し、
審美的には完璧とはいえないものの、機能的にもしっかり噛める状態が保たれています。
5年6か月経過時のX線写真
1本の歯も抜くことなく経過中。現在も3ヵ月に一度のSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)を継続中です。
【治療の流れ】
-
歯周基本治療(プラーク・歯石の除去、ブラッシング指導)
-
歯周組織再生療法(Regroth®などを使用)
-
定期的なSPTでの経過観察・クリーニング
【この治療のポイント】
✔ 他院で抜歯と診断された歯を保存できる可能性がある
✔ 炎症をしっかりコントロールしたうえで再生療法を行うことで、歯の安定が得られる
✔ 治療後も**定期的な管理(SPT)**で、状態を長期的に維持できる
【注意事項】
・すべての重度歯周病に同じ結果が得られるとは限りません
・歯や骨の状態によっては、保存が難しいこともあります
・日々のセルフケアと定期的な通院が非常に重要です
「もう抜くしかない」と言われても、
できるだけ歯を残す選択肢があるかもしれません。
歯周病でお悩みの方は、どうぞ一度ご相談ください。
広島市中区の歯科医院 ごこちデンタルクリニック