スリープスプリントとは?|睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療

スタッフブログ2026.09.15

睡眠時無呼吸症候群の治療というと、鼻にマスクを装着して空気を送り込むCPAP療法を思い浮かべる方が多いと思います。

一方、歯科で行うことができる治療の一つに、**スリープスプリント(口腔内装置・OA)**があります。

スリープスプリントは、睡眠中に上下の歯に装着するマウスピースです。

ポイントは、単なる歯ぎしり用マウスピースとは異なり、下あごを通常より少し前方に保つように設計されていることです。

下あごが前方へ移動すると、それに伴って舌や舌根部も前方へ移動しやすくなります。その結果、睡眠中に舌がのどの奥へ落ち込むのを抑え、上気道を確保しやすくすることが治療の基本的な考え方です。日本睡眠歯科学会でも、下顎を前進させて舌の沈下を防ぎ、睡眠中の気道を確保する治療として説明されています。

治療は、まずお口の中や歯周組織、顎関節などを診査します。その後、歯型を採り、下あごをどの位置で保持するかを決めるための**咬合採得(バイト)**を行います。その資料をもとに患者さん専用の装置を作製し、装着後に適合やかみ合わせを調整します。

スリープスプリントには効果の個人差があり、装着初期には顎のだるさや違和感を感じる場合があります。また、長期間の使用によって歯の位置やかみ合わせが変化することもあるため、定期的な歯科でのチェックと調整が重要です。

保険診療について

睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置は、一定の条件を満たせば健康保険の対象になります。

保険診療で作製する場合は、睡眠時無呼吸症候群を診断・治療している医科の医療機関から、診療情報提供に基づいて口腔内装置治療を依頼されていることが必要です。厚生労働省の確認事項にも、この要件が明記されています。

つまり、

いびきが気になる → 歯科だけで診断してマウスピースを作る

というものではありません。

医科で適切な検査・診断を受け、そのうえで歯科が口腔内装置治療を担当するという医科歯科連携が基本になります。