前歯の変色に対して矯正的挺出とセラミックブリッジで治療した症例

ホワイトニング審美(セラミック)治療2026.08.19

今回は、「前歯の見た目と変色が気になる」とご相談いただいた患者さんの症例をご紹介します。

ご来院時の状態

上顎前歯に変色がみられ、患者さんは前歯の見た目を気にされていました。

レントゲン撮影や口腔内診査を行ったところ、右上の中切歯には外部吸収が認められ、長期的に歯を保存することが難しい状態でした。

外部吸収とは、歯根の外側から歯の組織が徐々に失われていく状態です。

治療方法としてインプラントやブリッジなどについてご説明しましたが、患者さんはインプラント治療を希望されなかったため、今回はセラミックブリッジによる治療を計画しました。

抜歯の前に「矯正的挺出」を行いました

前歯の審美治療では、歯そのものの色や形だけでなく、左右の歯ぐきの高さ(歯頚ライン)をそろえることも重要です。

そのため、本症例では保存が難しい右上中切歯をすぐに抜歯するのではなく、まず「矯正的挺出」を行いました。

矯正的挺出とは、弱い矯正力を加えながら歯を少しずつ引き出していく治療方法です。

本症例では、緩徐な力で時間をかけて歯を挺出させ、抜歯後の歯ぐきのラインを整えることを目的としました。

抜歯後にセラミックブリッジを装着

矯正的挺出によって歯ぐきの位置を整えた後、保存が難しい右上中切歯を抜歯しました。

治癒を確認した後、前歯部にセラミックブリッジを装着しました。

左右の中切歯の歯頚ラインをあらかじめ整えておくことで、ブリッジを装着した際にも歯と歯ぐきのバランスがとれ、より自然な見た目を目指すことができます。

また、周囲の天然歯との色調を整えるため、ホワイトニングも併用しました。

術後10年の経過

現在、治療終了から約10年が経過しています。

セラミックブリッジ周囲の歯ぐきのラインは安定しており、マージン部分の目立った変色なども認められず、良好な状態を維持しています。

前歯の治療では、治療直後の見た目だけではなく、長期間にわたり歯ぐきと被せ物の境界が安定することも重要と考えています。

症例概要

項目 内容
主訴 前歯の見た目、変色が気になる
治療部位 上顎前歯部
診断 右上中切歯の外部吸収
治療内容 矯正的挺出、抜歯、セラミックブリッジ、ホワイトニング
矯正的挺出 33,000円(税込)
セラミックブリッジ 429,000円(税込)
ホワイトニング 33,000円(税込)
治療費総額 495,000円(税込)
経過 術後約10年
保険適用 公的医療保険が適用されない自由診療

※治療期間・通院回数は、歯や歯肉の状態、治癒経過などによって異なります。

矯正的挺出に伴う主なリスク・副作用

矯正治療中に歯の痛みや違和感が生じることがあります。

歯の移動量や周囲の骨・歯肉の状態によっては、予定した位置まで歯や歯肉を移動できない場合があります。

また、治療期間が長くなることがあります。

セラミックブリッジに伴う主なリスク・副作用

ブリッジを装着するためには、支えとなる歯を削る必要があります。

治療後に歯がしみたり、痛みが生じたりすることがあり、歯の状態によっては根管治療が必要になる場合があります。

長期間の使用により、セラミックの破折や脱離、支台歯のむし歯、歯周病などが生じる可能性があります。

また、人工物であるため、天然歯と色調や透明感が完全には一致しない場合があります。

ホワイトニングに伴う主なリスク・副作用

ホワイトニング中または治療後に、一時的な知覚過敏が生じることがあります。

白くなる程度には個人差があり、時間の経過とともに色の後戻りが生じることがあります。

前歯の見た目でお悩みの方へ

前歯を失う可能性がある場合でも、すぐに抜歯するのではなく、その後の歯ぐきの形や最終的な被せ物の位置まで考慮して治療を進めることで、より自然な仕上がりを目指せる場合があります。

インプラントだけが前歯の欠損を治療する方法ではありません。

歯や骨、歯ぐきの状態、患者さんのご希望などを確認しながら、ブリッジやその他の治療方法を含めて治療計画をご提案しています。

前歯の変色や古い被せ物、見た目などが気になる方はご相談ください。

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