左下大臼歯部欠損に対してインプラント治療を行った症例

インプラント2026.08.03

今回は、「左下奥歯の入れ歯が合わないため、インプラントにしたい」とご相談いただいた患者さんの症例をご紹介します。

ご来院時の状態

患者さんは左下の奥歯を失っており、部分入れ歯を使用されていました。

しかし、入れ歯が合わず、噛みにくさや使用時の違和感があるとのことで、固定式の歯を希望して来院されました。

口腔内診査、レントゲン撮影、CT撮影を行い、残っている骨の幅や高さ、下顎の神経までの距離などを確認しました。

治療方法として、現在の入れ歯の調整や再製作、インプラント治療について、それぞれの利点と注意点をご説明し、今回はインプラント治療を選択されました。

【術前口腔内写真・術前レントゲン】

CTを用いたインプラント治療計画

下顎の奥歯にインプラントを埋入する際には、骨の状態だけでなく、顎の骨の内部を走行する神経や血管の位置を確認することが重要です。

本症例では、CT画像と口腔内のデジタルデータを重ね合わせ、最終的な被せ物の位置から逆算して、2本のインプラントの位置、角度、深さを計画しました。

【インプラント治療のシミュレーション画像】

ガイドサージェリーによるインプラント埋入

事前に作製したサージカルガイドを使用し、治療計画に沿って左下大臼歯部に2本のインプラントを埋入しました。

サージカルガイドとは、インプラントを計画した位置や角度に埋入するために使用する補助装置です。

手術中にも、周囲の骨や神経との位置関係を確認しながら処置を行いました。

【インプラント埋入時の写真・レントゲン】

インプラント周囲の歯ぐきを整える処置

インプラントと骨が安定するまで治癒期間を設けた後、インプラント周囲を清掃しやすい環境に整えるため、歯肉弁根尖側移動術を行いました。

インプラントを長期間安定して使用するためには、適切な位置への埋入だけでなく、患者さんが歯ブラシを当てやすく、清掃しやすい歯ぐきの環境を整えることも重要です。

【歯肉弁根尖側移動術の写真】

固定式の被せ物を装着

インプラント周囲の骨と歯ぐきが安定したことを確認した後、2本のインプラントに固定式の被せ物を装着しました。

治療前に使用していた取り外し式の入れ歯ではなく、ご自身では取り外さない固定式の歯になっています。

被せ物を装着した後、噛み合わせや清掃状態を確認し、治療を終了しました。

【術前・術後の口腔内写真・レントゲン】

治療後もインプラントを長く使用していただくため、定期的な検診とメインテナンスを継続しています。

症例概要

項目 内容
主訴 左下奥歯の入れ歯が合わない。インプラントにしたい
治療部位 左下大臼歯部
診断 左下大臼歯部欠損
治療内容 インプラント2本の埋入、固定式の被せ物の装着
付随処置 ガイドサージェリー、歯肉弁根尖側移動術
治療期間 約8か月
通院回数 約15回
インプラント治療費 460,000円×2本
ガイドサージェリー 55,000円
治療費総額 975,000円(税込)
保険適用 公的医療保険が適用されない自由診療

※治療費には、インプラントの埋入手術と最終的な被せ物の費用を含みます。
※治療期間、通院回数、費用は、骨や歯肉の状態、治癒経過、追加処置の有無によって異なる場合があります。

インプラント治療に伴う主なリスク・副作用

手術後に、痛み、腫れ、出血、内出血、感染などが生じることがあります。

下顎のインプラント治療では、顎の骨の内部を走行する神経や血管を損傷し、唇や顎のしびれ、知覚の変化、出血などが生じる可能性があります。

インプラントが骨と十分に結合せず、インプラントの撤去や再手術が必要になる場合があります。

治療後にインプラント周囲の歯肉が退縮したり、周囲の骨が吸収したりすることがあります。

長期間の使用により、被せ物や固定用スクリューの緩み・破損、インプラント本体の破損などが起こる可能性があります。

清掃状態が不十分な場合は、インプラント周囲炎を発症し、歯肉の炎症や骨の吸収が進行することがあります。治療後も、ご自宅での適切な清掃と定期的なメインテナンスが必要です。

骨や歯肉の状態によっては、骨造成や歯肉移植などの追加処置が必要になり、治療期間や費用が増える場合があります。

奥歯の入れ歯でお悩みの方へ

奥歯を失った場合の治療方法には、入れ歯やインプラント治療などがあります。

インプラント治療では固定式の歯を装着できますが、すべての方に適しているわけではありません。残っている骨の量や質、神経の位置、全身状態、喫煙習慣、歯周病の状態などを確認したうえで治療方法を検討する必要があります。

当院では、CTや口腔内のデジタルデータを用いて状態を確認し、入れ歯の調整や再製作を含め、それぞれの患者さんに適した治療方法をご提案しています。

奥歯の入れ歯が合わない、入れ歯を使用せずに噛めるようにしたいとお考えの方は、ご相談ください。

広島市中区の歯科医院 ごこちデンタルクリニック

※患者さんの同意を得て掲載しています。
※治療結果や治療期間には個人差があります。